2010年06月01日

有田の天使 敏子の一生

 「深川ブルー」で知られる有田焼の老舗(しにせ)・深川製磁の2代目、深川進(1898〜1962)と結婚し、生き方や製品など様々な分野で有田に大正モダニズムの自由な空気を吹き込んで現在にもつながる下地をつくり、31歳で夭逝(よう・せい)した敏子の生涯を、エッセイストの伊藤緋紗子が小説にした。敏子没後満75年を迎える6月に出版する。(長沢豊)

 題名は「華の人 有田に生きた薔薇(ば・ら)の貴婦人・敏子の物語」(352ページ、税込み1890円)。小説という形を取っているが、8割以上は敏子の縁者の話や事実で構成したノンフィクション仕立て。小学館(東京都)から6月28日に発売予定だ。

 敏子は1905(明治38)年、北海道・旭川の綿織物など商う商家に生まれた。東京の姉を頼って山脇高等女学校(現在の山脇学園)に進み、大正モダニズムのあふれる東京で生活し、兄の親友で、慶応義塾大生の深川製磁2代目の進と出会い、21歳で結婚した。

 初めて有田駅に降り立った時は胸の大きく開いたワンピース姿で、手にはバイオリン。後に「古代バラ」と呼ばれ、磁器の絵柄に今でも使われている真っ赤なバラをつけた帽子姿で、当時珍しい洋装は「まるで天使のようだった」と今も語り継がれるほどだ。

 パリ万博に有田焼総代として渡った義父忠次(1871〜1934)はバラ以外にも、帽子やバイオリンなどをデザインに採り入れ、敏子を投影している。進との間に3人の男児を授かったが、肺の病で31歳で他界した。3人の息子はイタリアに店を出すなど有田から世界を見据えた仕事に生きる。工場にある「チャイナ・オン・ザ・パーク」に毎年5月、咲き誇るラベンダーは敏子の郷里・富良野市から毎年取り寄せ、植え替える「敏子へのレクイエム」でもある。

 伊藤が、敏子のことを知るきっかけは約3年前、講演で有田町を訪れた際、町から「ふるさと大使になって欲しい」と言われて受諾。その後、町の人たちとの交流の中で「敏子という天使と見まがうようなすてきな女性がいてね」と、町の様々な人から話を聞かされたという。

 「日本女性のことを女性史を背景に書きたい」と考えていた伊藤は、祖母と同じ生まれ年の敏子の話に「運命的なものを感じた」。他の仕事の合間に、東京・神田の古書店で有田町史などを入手。敏子の父親の郷里・徳島や敏子の生地・旭川、有田などで縁者から話を聞き、敏子の長男で昨年亡くなった明からも長時間話を聞き、約2年がかりで書き上げた。

 伊藤は「敏子は、自由へのあこがれが強い中、現実社会で女性の地位が弱いゆえのジレンマの間に生きた。でも、自身の美意識を持ち、女性としての心得もある順応性のあった人」と見る。現在、深川製磁の社長を務める一太(62)は敏子の孫。「破天荒だった敏子のDNAは伝統を継続しながら外にはじける社の気風に残っている。自分を持ち、それに正直に生きた。『自分以外にはなりたくなかった祖母』だった」と語る。(敬称略)

朝日(佐賀) 2010年5月28日
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2010年04月20日

深川製磁:歴代将棋名人の直筆染付 有田陶器市に併せ、秘蔵品を公開・展示 /佐賀

 有田町の深川製磁(深川一太社長)は今年の有田陶器市に併せた特別企画として、将棋の歴代名人の直筆入り花瓶など秘蔵品を公開・展示する。

 公開されるのは升田幸三名人が「念力」、大山康晴名人が「王将」とそれぞれ筆を入れた染付花瓶や、米長邦雄名人が「忍」、中原誠名人が「前進できぬ駒はない」と書き入れた大皿など計25点。大山名人の将棋盤や升田名人の色紙なども。

 同社によると、昔から町内の窯元では職人が窯たきの番をするために将棋を指しており、今でも将棋ファンは多いという。

 展示は今月28日〜5月24日、同町原明のチャイナ・オン・ザ・パーク忠次館。

毎日 2010年4月20日
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2010年03月10日

有田焼骨壺で安らかに

 深川製磁(有田町)と仏事業の大手、メモリアルアートの大野屋(東京・豊島)は8日、共同開発した有田焼の骨壺(つぼ)の販売を始めた。壺の内側には故人に美しい文様を楽しんでもらいたい、と絵付けが施されている。
 開発を始めたきっかけは、昨年の夏。深川製磁が東京で食器を中心にした製品の展示会を開いた。そこに、昨年創業70周年を迎え、何か新しい製品を、と考えていた大野屋の幹部が訪れ、「有田焼で、これまでにないオリジナルな骨壺を作りたい」と話を持ちかけた。
 深川製磁によると、約30種の試作品を作り、ようやく今回、製品として販売する8品目にたどり着いたという。瑠璃(る・り)彩磁、透白磁、官窯青磁、紫紺彩滋の4種に、桜の花や金彩のはなびら、姫丸紋、鳳凰(ほう・おう)紋などが描かれている。価格は7寸壺が9万8700円から8万8200円、分骨壺は2万3100円から1万9950円で販売する。
 大野屋によると、蓋(ふた)部分にも細工を施し、ロック機能を持たせるなど堅牢(けん・ろう)なつくりにし、遺骨をしっかり守るようにした。創業116年の伝統を持つ製造元の深川製磁は「景気落ち込みの影響が少なくない業界だが、こうした新しい分野での品物を生みだせたのは底支えになる。これからも新しい道を模索していきたい」と話している。

朝日 2010年3月10日
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2010年03月05日

有田焼の老舗、深川製磁が骨壺販売強化 葬祭業者と提携拡大

 有田焼の老舗、深川製磁(佐賀県有田町)は骨壺(こつつぼ)の販売強化に乗り出した。仏事サービスの「メモリアルアートの大野屋(東京・豊島)」と骨壺を共同開発、ネットや大野屋の店舗などを通じて販売するほか、大阪の大手葬祭業者と提携して独自開発の骨壺も販売する予定だ。家庭用食器の販売は頭打ちになっており、深川製磁は骨壺を主力商品に育てる計画で2010年度に2億円の売り上げを目指す。

 共同開発した骨壺はお墓に納骨される7寸サイズと分骨壺がある。7寸壺はふたの内側にきれいな絵が描かれている。

 デザインは澄み切った瑠璃(るり)色に桜の花をあしらった「瑠璃磁さくら」など4種類。ふたを回すと壺が密封され、結露しないように工夫してある。価格は瑠璃磁さくらの7寸壺は9万8700円(税込み)、分骨壺が2万3100円(同)。大野屋は8日からネットで全国販売するほか、東京・埼玉・千葉にある店舗や営業所でも取り扱う。

日本経済 2010年3月4日
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2009年12月30日

県内商業施設、初売りへ“臨戦態勢” 福袋に各店とも力注ぐ

 正月を前に、県内の各百貨店や大型商業施設では初売り商戦に向けた準備が進んでいる。中でも「主力商品」の福袋には各店とも力を注ぎ、商品券が当たるくじ付きの福袋など、趣向を凝らした品ぞろえで“臨戦態勢”に入った。

 長崎市茂里町のみらい長崎ココウォークは1日午前10時に開店。新たに最高1万円分の商品券が当たるくじ付き福袋を企画し、「新春の運だめしに」と来店を呼び掛けている。早くも店内に福袋を約2メートル積み上げ、買い物客らの注目を集めている。「クリスマスに、閉店後7時間かけて作った」と衣料品店「リズリサフュージョン」の久米村正知マネージャー。初売り商品の約8割が売れるという1月6日までが勝負。「(初売りで)不況を打破したい」と気合を入れている。

 例年より1時間早い午前9時に開店するのは、同市元船町の夢彩都。「県内最多」という1万5千個の福袋で客を迎える。5千円以上購入した人を対象に、最高3万円分の商品券が当たる抽選会を実施する。

 2日午前8時にオープンする同市浜町の浜屋百貨店は、食品や衣料品、貴金属など7500個の福袋を準備し、「福袋は1年の幸せを祈る縁起物」と力を注ぐ。40万円の貴金属の福袋もある。

 高額福袋も登場。佐世保市に近い佐賀県有田町の深川製磁チャイナ・オン・ザ・パークは2日午前8時から「100万円福袋」を1袋限定販売。手作りの花瓶、明治意匠のスタンドなど7点入りで「300万〜400万円の価値がある」という。

 そのほかの開店時間と福袋の個数は以下の通り。

 ▽博多大丸長崎店(長崎市浜町)=2日午前8時から、3千個▽長崎玉屋(同市新大工町)=2日午前7時から、1500個▽アミュプラザ長崎(同市尾上町)=1日午前10時から、1万2千個▽佐世保玉屋(佐世保市栄町)=2日午前4時半から、1万個

長崎 2009年12月30日
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